2016年12月25日日曜日

海辺のカフカ下巻③

ドアを開け、佐伯さんは去っていく。


カフカの行き先には、二人の兵隊が待っていた。

「入口はまだ開いているよ」

「帰るときは振り返らない方がいい」  と言う

そして、兵隊と別れた後も、迷わずに元の道を戻って山小屋に辿り着く。

大島さんのお兄さんという人が、僕を迎えに来てくれる。

甲村図書館に着くと、大島さんが、佐伯さんが、心臓発作で亡くなったことを

カフカに伝えた。

葬儀は本人の意志でせずに、火葬にした事、自分の財産は、甲村記念図書館に寄付

する事等を説明。

そして壁にかけてあった「海辺のカフカ」の絵は田村くんに持って行ってもらうと・・。

絵は、すぐ持っていける様にすでにキレイに梱包されていた。

カフカは大島さんに言う

「僕は、東京の中野の家に戻ります」

大島さん、

「いつか、また、戻ってここで働いてくれてもいいよ」



【たかやまかついち】

「海辺のカフカ」 読み終わった

長い、上下巻のストーリーを部分的に掻い摘んで紹介しました

3回読むと解かるというのが自分の感覚だ

映画も三回観ると、原作者が何を言いたいか、監督がこの映画で何を表現したいかが

ある程度は分かる、場面も何を意味しているものかが分かってくる

難しい本も三回読むとなんとなく分かる

逆に言えば自分は、三回見ないと分からないのだ。

この本自分の読解力では、5回ぐらい読まないと無理かも!

一見ちぐはぐな組み合わせのストーリーでも、深い意味を含んだストーリー。

少し疲れた。でも、村上文学のほんの一端だが、覗いた気がする。


猫の話し、マニュアルシフトのスポーツカー、図書館で読書に耽る少年カフカ、

ジャズ音楽、べートーヴェンの室内楽の話し

どれも、村上春樹さんのエッセー集に出てくる村上春樹さん自身の事だ。

若いカフカが、年上の女性、佐伯さんに恋をする話し。

これも多分、自分が若いときに経験した、年上の魅力的な女性、しかもかなり年上の女性に

恋心をいだいた時の心情を「佐伯さん」と「カフカ」に充てはめて書いたのだろう

小説家とは、そういう書き方をするものだ!


スペインのある地方都市で、高校生から一番面白かった本として、選ばれた

「海辺のカフカ」 上下巻、読み終えた

本日興津図書館に返却する。

【カフカ・・・とはチェコ語でカラス・という意味だそうだ】

終わり

海辺のカフカ・下巻②

下巻②

星野さんが宿に帰ってくると、ナカタさんは、死んでいた。


家出少年のカフカは、父が殺されたことで、殺人とは関係ないのだが、唯一の家族

という事で、警察に行方を追われる。

やがて、高松にも、捜索が及ぶ。

大島さんが、「しばらく身を隠していた方がいい、自分の山小屋があるのでそこに
案内をするよ」と言う

二人乗りのスポーツカーにカフカを乗せて出かける

マニュアルシフトを小気味よく、変速しながら二時間半ほど走る

その小屋は、静かな森の中にある。

「少しの間ここで過ごすといい、食料もある」

「しかし、この森は深く、奥に入ると帰れなくなる。 戦争前、ここで訓練をしていて、二人の

 兵隊が行方不明になった。森中探しても、とうとう、見つからなく、捜索は打ち切られた。

だから、一定以上の場所から奥には、入らない様に!」  と 注意して帰る

その後、何日かしてから、カフカは迷わない様にペンキや方位磁石の持って深い森の奥に

立ち入って行く。

これ以上入っては、いけない、という線を超え、どんどん奥に入る

あるところで、二人の兵隊に会う。三八式の旧式銃を持った兵隊だ。

その兵隊が「俺達について来る様に」と案内する

険しい道、急なのぼり坂、かなり奥に入ったところで、急に平らな、場所に出てくる

そこには、小さな、村がある

同じ形の家が立ち並び、電気も通っている。でも、人の姿は見えない

家の中に入って休んでいると、ドアをノックする音が聞こえる

開けると、佐伯さんが立っていた。

中で二人でハーブ茶を飲む

「こうしていると、まるで図書館にいるみたいだね」

「コーヒーが無くて、大島さんがいないだけ」

「そして本が無いだけ」 と佐伯さんは言う

しばらく、無言の後、佐伯さんが言う

「今こうしてここに来るのも、本当のことを言えばそんなに簡単なことではなかった!
 
でも、どうしてもあなたと会って  話しがしたかったの!」

彼女はゆっくり言葉を選びながら言う

「私は、記憶を全部燃やしてしまったの」

「田村くん、あの絵を持っていって」

「図書館に飾ってあったあの絵ですか?」

「そう、【海辺のカフカ】の絵、 あの絵をあなたに持って行って欲しいの、あの絵は元々、

あなたの物だったのよ!だってあなたは、あそこにいたのよ、そして私は、その隣にいて、

あなたを見ていたの」

ずっと昔、海辺で風が吹いていて、真っ白な雲が浮かんでいて、季節はいつもの夏だった」
 
「あなたは、僕のお母さんですか?」

「私は、そのむかし、大事なものを捨てたの」

「何よりも私の 愛していたものを」

「さようなら、田村くん!元の場所に戻って生き続けなさい」

「遅くならないうちにここを出なさい、森を抜けて元の生活に戻るのよ、入口は、そのうち
 また、閉じてしまうから・・」


ドアを開け、佐伯さんは、立ち去って行く


続く





2016年12月23日金曜日

「海辺のカフカ」下巻に入る①

上巻終わって、下巻に入る

カフカは、高松市内にある、資産家が作ったという私設図書館「甲村記念図書館」で

大島さんという男性に、親切にしてもらい、図書館の管理の手伝いをしながら空いている

部屋に住まわせてもらえる事となる

図書館には、大島さんと、佐伯さんという女性がいる

佐伯さんは、朝、ワーゲンゴルフで決まった時間に来る

そして二階の部屋でずっと書き物をしている。

清楚で、美しい50歳の女性

いつかカフカは、この佐伯さんに、恋をする

やがて、二人は、交わるようになる



【ナカタさん】

ナカタさんはいつも言う!

「ナカタは頭が悪いので、字が読めません、書くこともできません!」

「チジさんにお世話になっています、ホジョをもらって生活しています」

「ナカタは、記憶というものがないのです、みんな忘れてしまいました」

このナカタさん

親切なトラック運転手星野さんに出会い、四国に渡る

何も知らないナカタさんを心配した、星野さん、一緒についてきてくれる

そして、高松市内の宿に二人落ち着く

その後、どこともなく、市内を適当に回る

適当に走って、道を間違え、違う方向に行ってしまう

偶然、甲村図書館に着く

ナカタさんが言う

「ナカタが来たかったのはここです」

館内に入り、この図書館の案内を聞く・・・とそのうちナカタさんは

「関係者以外立入禁止」と書かれた部屋のドアを制止も聞かず開ける

中には、佐伯さんがいる、二人だけの話しが始まる

佐伯さん

「私の思い違いでなければ、多分、私はあなたがいらっしゃるのを待っていたのだと

思います」

ナカタさん

「はい、多分そうであろうとナカタも考えます」

「しかし、時間がかかりました。お待たせし過ぎたりだではないでしょうか?」

「ナカタもナカタなりに急ぎはしたのですがこれが精一杯でありました」

佐伯さんはファィルを取り出す

「私のこれまでのことをずっと長い間、このファイルに書いて来ました、それも少し前、

すべてを書き終わったところです。これをナカタさんに預けます、そして燃やして下さい」

「中は何も見ないで、灰になるまで燃やして下さい」と預ける

ナカタさん

「ナカタは字が読めませんので、見ても分かりませんので・・・・」

星野さんの運転で離れたところに行き、、佐伯さんから預かったファイルを燃やす、完全に

灰になるまで。

その後大島さんが佐伯さんの部屋に入ると佐伯さんは机にうつ伏せのまま死んでいる

大島さん 「とうとうこのときが来たか!」 と呟く

ナカタさんと星野さんは、佐伯さんの、フアィルを燃やした後、宿に戻る

途中、ナカタさんは、「ナカタは眠くてしようがないのであります」という

星野さん、

もう少しで宿につくからそれまで、我慢してくれ

着いたらいくらでも眠れるから。〔前も36時間一度も起きずに寝ていた〕

宿に着くと、ナカタさんはすぐに眠る

宿の人には、この人は30時間ぐらい寝る人だからと言い残し、一人街に遊びに行く

しばらくして帰って来て、ナカタさんを見る

死んでいる


続く



2016年12月20日火曜日

村上春樹の「海辺のカフカ」読み始めた

村上春樹の「海辺のカフカ」を図書館より借りた。

上下の二巻となっている。

不思議なストーリーだ!

父と二人暮らしの15歳のカフカ【自称】少年が、家出をするところから、始まる。

物語は、この少年と、別の男・・・60歳過ぎ・・のおじさんの 話しが交互に出てくる

カフカは、父から拝借したお金40万と、必要と思われる身の回りの物を用意し

中野区の家を出る。

そして、本土から離れた土地がいいと、四国を目指し、高松に辿り着く

おじさん「ナカタ」は、自分の事を「ナカタさん」と呼ぶ

このナカタさんは、一人暮らし、字が読めない、書けない、でも、猫と話しができるという

不思議な能力をもっている

中略

ある日、交番に出向く・オマワリさんに、「私ナカタさんは、人を殺しました」と言う

おまわりさんは、変なことをいうおじさんだな・・と取り合わない。メモも取らない

ナカタさんは、オマワリさんに、あさって、空から、魚が降ってきますので、傘を持って

出かけた方がいいと言う。

オマワリさんは、全く相手にしない、

その二日後、空から、大量の鯵が降ってくる

おまわりさんは、驚く。

その二日後、今度は、男性の他殺体が発見される、

〔殺されたのは、カフカのお父さんだった〕

おまわりさんは、青くなる

警察官としてするべき事をしなかった自分の不手際を悔いる、そして隠す。

このナカタさん、トラックに乗せてもらいながら、当てもなく旅にでる

そして、四国の高松に辿りつく。


独特の文章、独特の物語の設定、そんな事ありえない!という話しの設定

引き込まれる。

目が先にいこうとする、でも、村上春樹独特の展開は、行を軽く飛ばして

読んだら、その行の奥に含まれているかも知れない、その先の暗示を見逃し

しまうのでは、と思わせられるので、しっかり読んでいく

しかし、不思議な展開にどんどん、引き込まれる

推理小説ではない、推理小説の事件の真実を解読していく、その経過を

知ろうとする心理とは違う心理で、読み込まされていく。

上巻が終わり、下巻に入った。  続く



2016年12月14日水曜日

朴槿恵大統領のお父さん【大統領】が凶弾に倒れた

【事件後の記事の記憶から】

1974年から5年後の1979年、今度は、父である朴大統領が撃たれ死亡した

撃ったのは、韓国CIA(KCIA)の金載圭長官だった

大統領がある日、料亭で、車〔チャ〕警護室長と金KCIA長官とで食事をしていた

この日、美女〔女優とか歌手〕を同席させての食事だった

この金部長と、車室長とは、以前から仲が悪く意見の相違がかなりあった

激しい言葉のやり取りがあって、長官が銃を取り出し、まず、車室長を撃った
続いて、大統領に向って腹部か?胸部を撃った

この銃弾で大統領と室長は死亡。ほぼ即死。

この銃声を聞いた外に居た警備の者二人が中に向って走って来た

そこを、金部長の部下二人【元軍人】がすかさず射殺

この事件は計画的だった様だ。

側近の二人は裁判で、死刑判決を受け、早い時期に死刑が執行された。

金長官も裁判で死刑判決の後・・2年か3年後に死刑が執行された

KCIAといえば、韓国では、絶大な権力を持っていて、警察よりも権力は上だ

昼食も自分のお金で食べなくても誰かしらがご馳走してくれるというくらいだ

このKCIAが、しかも、長官が大統領を撃ち殺したのである

日本で言えば、安倍総理が赤坂の料亭で警察庁の庁官と食事をしていたら、庁官か゛
いきなり、銃を取り出し、総理を撃ち殺すという話になる。・・・ありえない!・・・

この事件で、KCIAの面目丸潰れ、今までの様に大きな顔が出来なくなった

韓国の男性は、気が短く、荒い!

ごく、最近、日本でだが、韓国アシアナ航空の副操縦士どうしが、殴り合いの喧嘩となり
飛行機の出発が遅れたとか・・・。

この後、何人かの人が大統領として登場し、そして、現在の朴槿恵大統領と続く訳だが
この朴槿恵大統領への弾劾騒ぎ・・波乱の朴家、波乱の国だ!

この後、大統領を辞めさせても、多分なんやかんや、と もめるだろう!この国は!

2016年12月13日火曜日

朴槿恵大統領の母が銃弾で倒れたその日韓国にいた

1974年8/15日、日本終戦の日、韓国としては植民地開放の祝日である。

この日、「光複節」式典の最中、朴 大統領を暗殺しようと、会場から、一発の銃弾が飛んだ。

弾丸はそれて、大統領には、当たらなかったが、斜め後方に座っていた、大統領の奥さん
陸英修夫人の頭部に直撃、その後死亡【ほぼ即死】した。

犯人は、会場で警備の人と打ち合いとなり、すぐに捕獲されたが、この会場にいた女子
高校生が流れ弾に当たって亡くなった。

この男、神戸在住の在日韓国人で、大統領暗殺を企て、まんまと、会場に紛れ込み
暗殺計画を実行に移した。

結局、犯行はこの男の単独犯だった。

この日は、旅行中の韓国より、帰国の予定で、釜山にいた、16.00分に手続きをして、ゲート
を出ようとしたら、小銃を持った兵士が来て、「戻れ!」と手で指示してきた。

その前15時頃、大統領夫人が撃たれて亡くなったとの、情報を聞いていたので、これはその
せいだと直感した。

つまり、「共犯者」を国外に出さない為の処置だった。


出国を禁止された私は、街の中に戻り、まずは、700ウォン【500円】の素泊まりの安旅館に
宿を取り食事以外は、外に出ない様にして、時を待った。

TVはすべての一般放送は中止となり、夫人の顔の映像だけが映しだされ、バックには、北欧
の作曲家グリーグの「ペールギュント」の中で母オーゼの死を歌った・「オーゼの死」・の曲が
一日中流されていた。【当時韓国は白黒TV時代だった】

そうして三日が経って出国禁止が解除され帰国できたがお金も底をつき帰るのがやっとだった

それから2ヶ月が過ぎた頃、韓国大使館より、現金封筒が届いた。

何だろう?と開けてみると、現金3.000円が入っていた。

三日間の足止め料として3000円送ります・・という事でした。

名簿から、住所氏名を探し出し、送ってきた訳だ

なるほど、こういう事もするんだなと思った。

外国旅行では、何があるか分からない

その5年後、また、韓国で大事件・・・続く